ひさしぶりにでーさんとお出かけした。
メイプルソープ(?自信無し)の写真展に行くと言うのが第一目的であった。
同写真家の展覧会は数回目と言うでーさん、いつもなんだか無機質な説明の付いた掲示が多いらしいのだが、今回の説明は『陶酔系詩人』説明がくっついていて、おかしかった。
なんと言ってもこの写真家、ゲイでSMで皮好きであったのだ。
はってある写真も、皮の黒ビキニを着てムチ持ってるお兄さん(上着は軍服風皮ジャン1枚で胸全開)とか、ブーツに全身皮のツナギ(頭のてっぺんまで)口から蝶のような長いくちばし(皮製)をくっつけている、皮で顔は分からないが、体つきから中年男性とか。
ヘアヌード解禁前の日本では決して、発表されなかったであろう、写真家自らがSMバーから連れ帰った人のヌード写真だったりした。
そんな写真の横に『陶酔系詩人賛美型解説』がくっついていたりするのである、高村は何やら滑稽な気分になって、芸術を鑑賞すると言うよりは、何か見せ物小屋にでもまぎれこんでいるような気がしたのは否めないところである。

高村「(前述)このくちばしみたいなのは何?」
でー「人間には空気穴が必要なんだよ」
等々様々な謎を残しつつも、我々は悟った。

でー「今回の展示では、展示パネルの配置と言うのは重要だと言う事を学んだよ」
高村「そうだね。SMとゲイカップル(真っ裸)の写真のまん中に、あどけない少年二人の、1枚だけなら清清しい写真も、あの位置だと何か違う意味があるのかと思ってしまうね」

展示はボディビルダーのねえちゃんの、雄々しいヌードになり、美人女優の麗しいポートレートになり、生花の(生け花では表現できないような)どこか性的な写真になり終わった。
前半の怪しい写真が余りにも比重が多かったので、『すばらしい写真家』とはとても思えなかった。

でーさん「この写真なんかは人権問題のポスターなんかによく使われたりするんだよ」
筋肉がしっかりと付いた、黒人と白人の抱きあう写真を前に、でーさんは教えてくれたが、
『二人の肩にある、同じような間隔で並ぶ大きな湿疹(もしくはしみ)が、カポジ肉腫(エイズの発祥症状の一つ)に見える』
悲しい展示であった。(個人的に)

でーさん「今まで2連作と思っていたのが実は4連作だった」
と、苦笑しながら呟いていた。
規制緩和(ヘアヌード解禁とか?)の関係で、もろ見えなパネルが2枚多く展示できるようになったのである。
言葉少なく会場を後にした私達は、ずぼらやでふぐを食す予定であったのだが、動揺の余りラーメン屋に入ってしまった。
中華や讃岐うどんの誘惑は断ち切れたのだが、ついうっかり。

船場界隈で買い物をして、ロードオブザリングの二つの塔の前売りを買った。
プレゼントのピンズはでーさんはガンダルフ、私はレゴラスかアラゴルンかで迷い、Yさんに1票投じる心でアラゴルンを選んだ。
でーさん「所詮高村さんも、顔か?顔なのかい?」
と聞かれたが、私はもともとファンタジーの世界ではエルフが好きなのである、魔法が使える方がいいから。
TTRでは、メテオストライク(隕石落としの大魔法)を使い、国ごと魔王を焼払い、後世に勇者とも悪魔とも、発狂した大魔法使いとも伝えられる事を望んだプレーヤーであった。
(残念ながら、誰もそんなシナリオは作ってくれなかったし、そこまで成長するまでつきあってもくれなかったけど)
ではなぜ人間のピンズにしたのか、エルフのオールバックが恐かったのである。
髪の色と合わさると栗本薫の魔界水滸伝に出て来た北斗多一郎のようであったのである。(写真展と通じる部分のあるキャラクター)
そんなわけでオイリーに匂いたつと言う噂の人間を選んだのである。
けして顔で選んだわけではなかった。

ちょろのすけさんとYさんはきっとリングを完成させたに違いないね(前売りを6枚買うと完成する)と噂しながら、チケットを使う前に、予習を欠かさぬ事を誓いながら別れた二人であった。

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