大塚美術館のススメ

2001年10月18日
システイーナ礼拝堂で、大塚美術館の館長にぶつかる。
天井画にはかの有名な、アダムとヤハウェの
「触ってみたいけど、ちょっと恥ずかしい・・・」画。
 だが我々は、そんな有名な絵なんかどうでもよかった。
2枚面の天地創造中と思われるヤハウェに目を奪われていた。
でーさん:「激しく指摘しているよ!」
でーさんの感想の通り、長衣巻き付けて宙に浮き上がり、激しいパースでこちらを指差すヒゲの立派なじいさんがそこにはいた。
高村:「ほんとだ、『そこ!ビシィィィィ!!』ってかんじだね」
とどちゃん:「しーっ。騒がないの」
きゃっきゃと遊ぶわれらには今回、ブレーキも同席していた。
この展示場は、原寸大の絵画を飾るために、原寸大の礼拝堂の構造まで再現していた。
礼拝堂は音が響くのである。一応他の人もいる事だし。
とおもったらそれが館長だったのである。

高村は
「お話を聞いて行きませんか?」
というので、天地創造やら、目の前にある最後の審判で、人間の抜け殻だけ持って上がられてるのは何かとか、そういう、学芸員が語ってくれそうな事を言うものだと期待して、
「はい」
と応えたのだが、いきなりおやじは入り口で渡されたリーフレットを読み上げはじめた。
「縦に開いて下さい」
そこには展示場の内部構造と、展示内容の解説があった。
『こんなものは展示場を見ながら、ちょろっと見れは事足りる話である』
と、思い、もう一段、広げると。
「それは横でしょう」
と注意され、
「縦って言ったらね・・・」
小学生に咬んで含めるように、指導を受けた。
『わーっとるわ!ちゃんと開いて欲しかったら、聞く前から内容のない話だと悟らせるな!』
殺意を覚えた。
まるで我々が文盲であるかのように、リーフレットを読み上げ、
「この美術館は広いから、1回目は下見のつもりで、2回目に細かく見て行って下さい。
時間が足りないですよ」
とか、ぬかすのを聞いてるのが一番の時間の無駄だった。
おやじのつまらん喋りは実際よりも5倍ぐらい長く感じ。
絵のことにはほとんど触れぬまま、話はおわった。
とんだ美術館宣伝員だった。
よく考えれば、陶器で焼き込んだレプリカを修復したりするわけもないし、展示を入れ替えたりするわけもないから、学芸員も何もいないのである。
大塚製薬の天下りか、左遷先じゃないのか?この美術館の館長って!
入ってきた時は御機嫌だったのに、出て行く時は腹立ちまぎれだった、システィーナ礼拝堂。

大塚美術館のススメ、それは、展示番号1番。
システィーナ礼拝堂で網を貼っている館長には近付くな!
である。

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