話は少し遡るが、日曜だと言うのに、高村は大阪府薬剤師会の会合に出席していた。
保険料の変更とかの話が有るのだが、まあ、こういうことは聞いてもやってみないと分からないのだが、一応終わりまで参加していた。
一駅歩けば、そこは船場!
高村は早く帰りたかったが、受付の人々の前を堂々と帰れないためである。

ああ船場!
高村は猛然と歩き出した。
関西以外の人には分からないと思うのでここで補足しておくが、船場、そこは商人の街、卸問屋の街である。
大阪には様々な分野の卸問屋の街が存在する。
船場は「あかんたれ」の舞台にもなった、繊維の卸が多いところだと私は思っている。
(「あかんたれ」私も再放送しか知らないが、肉親に苦しめられる、おしん男バージョンのドラマ)
思いもよらないものが有るので、ハッキリとは言えないが。
船場のセンタービルをちょっと見るだけでも、面白くて仕方がない。
アラブ諸国、インドのターバンを巻いた人など、世界のビジネスマン?とすれ違う。
卸だから一般の人は買えないのでは?そんなことはない。
買い物のできるところはたくさん有ります。
確かに、スカートが10枚単位とかのところも有るけれど。
取りあえず何でもかんでもやたらに安い。
そして、特殊な体型をした人にとっては神様のようなところである。
下着一つ買うのに、「とりよせ」とか言われちゃう人はここに行くべきだ。
種類が豊富な上に常時3割り引きは当たり前!なのだ。
残念ながら、センタービルはすでに閉店していたが、(専門業の人が主な相手なので、日曜は5時までとかなのかな?定休日のところも有るだろうけど)周辺の卸は開いていた。
父の下着を買いに、グンゼ専門の卸に!
父は今時どこにいっても見かけないSサイズの人。しかも7分袖。
もはやこの下着は注文生産。レアもいいところである。
そこなら、5本指ソックスだって4足700円。
「軍足」呼ばわりされてしまったところを見ると、どこかの軍で採用された歴史があるのか?
気になるところである。

さて、近くの店で自分には1着680円のニット製品を4着買い込んで、意気揚々と帰りながら、
「ポンチョなんか私着るんだろうか?着ていいんだろうかこの年で」
ふと我に還る、帰り道。

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