中学時代の友人で、キラー・ホエールを「人食い鯨」と訳した人がいた。
人食い鯨が、人食い鯨が、と、彼女は口にするが、
「白鯨」に出てきた悪役の鯨だって、人は食わなかったように思う。
単語(スペル)を見て、「それは、シャチの事だね?」と、忠告する事ができた。
なおされた和訳は殺伐とした物から、何やらほのぼのとした物になったという。
名前って大切だ。

大昔、「東方不敗」という、武侠映画が日本でも上映された。
時はアヘン戦争の真っ只中、英国海軍相手に、少林寺の僧等が日夜鍛えた拳法で国を守ろうと無謀な(としか思えないが、清王朝の軍が闘えないんだからしょうがないのか?)戦いを強いられていた。
そこに空から?人食いカジキマグロ?に乗って東方不敗(東の国にて負けたこと無し)が、英国戦艦のブリッジの上に舞い下りた!
鉄砲などもろともせず、英戦艦を沈める東方不敗。
「今日からワシは、東西不敗じゃ!」
呵呵大笑するという。

とかいう映画なのである。
私はこの映画を見た事はない。
話を聞くたび、何と面白そうな、映画なのか!
見たくてしかたがない。
「あ、人食いカジキマグロだ!」
と叫ばれる有名なカジキマグロが見てみたいのである。
(そのカジキマグロが人間を食べている姿は描写が無い)
中国語→日本語の翻訳で、「人食いカジキマグロ」
と和訳せざるえなかった、魚が見てみたいのである!
一目でそれと分かる、人食いカジキマグロが!
それにのっかってる東方不敗の、笑えちゃう強さも見てみたいし!

SF小説で、謎の宇宙生物を「金魚」と和訳(「金魚と闘う悲壮な宇宙軍」、字ずらだけ見てると妙な感じを覚えた)した、某人気小説とは、対極に位置する和訳姿勢!
私はこの「人食いカジキマグロ」と叫ばせるその精神を愛したい!
(発想もかなり愛しているが!)

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